ダクト(円形)の抵抗計算

** ダクトの摩擦抵抗は、次の 1: 2: 項目の合計値である。 **

1:直管ダクトの摩擦抵抗

   ΔP=λ・(L/d)・(v^2/2g)・γ
  ・・・・・・(式−1)

ΔP=全圧基準の摩擦抵抗 : mmAq
λ=ダクト摩擦係数  (ダクトの摩擦係数 グラフ)
L =ダクト長さ   : m
d =ダクト直径  : m
v =風速      : m/sec
g =重力加速度 : 9.8 m/s^2
γ=空気の比重 : kg/m^3

(v^2/2g)・γ は空気の動圧で、次の表から求められる。 (空気の動圧表)

2:変形部・曲がり部の摩擦抵抗

ΔPt=ζ・(v^2/2g)・γ=ζ・Pv  ・・・・・・(式−2)
ΔPt :全圧基準の局部抵抗〔mmAq〕
  ζ:局部抵抗係数
   v:風速〔m/s〕
  γ:空気の比重量〔kg/m3〕
  Pv:動圧 Pv=(v^2/2g)・γ〔mmAq〕 (空気の動圧表)
局部抵抗係数 ζ の実際値は、この表から求める。
上で求めた 局部抵抗係数 ζ と 風速から、局部抵抗計算線図 を使って局部摩擦抵抗ΔPtを求める。

3:ダクトの有効長

実務的には、局部抵抗を,これと同じ圧力損失を生じる直管の長さで表現する。(この長さを局部抵抗の相当長さという)
ダクトの実長と相当長さを加えたものを、ダクトの有効長 という。
1:の計算において、L=ダクト長さ の項目を、ダクトの有効長 を適用することで、個別に計算しないですむ。
ダクトの有効長の求め方
   ΔPt=λ・(Le/d)・Pv=ζ・Pv なので
∴相当長 Le=ζ・(d/λ)
      Le:相当長〔m〕  d:円形ダクトの直径〔m〕

4:摩擦抵抗の補正

空気温度,ダクト内面粗さなどが標準(DB20℃,ε=0.18mm)と大きく異なる場合ほ,近似的に次式によって補正する。
R0=R・Kt・Ks  ・・・・・・(式−2)
R0:実際の摩擦抵抗〔mmAq〕
R:標準状態の摩擦抵抗〔mmAq〕
Kt:空気温度による補正係数,
Ks:ダクト内面粗さによる補正係数

 補正係数は、
   Kt(空気温度による補正係数図)

   Ks(ダクト内面粗さによる補正係数図)

 から求める。

(参考)
一般に、空気温度による補正係数図 でわかるように、空気温度の影響は常用範囲では無視してもさしつかえない。湿度および気圧についても同様である。

5:代表的なダクト形状の簡単な局部抵抗の図解

直角分岐管の抵抗 合流管の直通抵抗 合流管の合流抵抗
□→○ 直角分岐 □→○ 上方分岐 □分岐の直進分岐
□分岐の直角分岐